――――ガタンッ



イライラがピークに達し、勢いよく立ち上がった。イスの音が響き、教室中の視線が集まる。


あたしはわざとらしく溜め息を吐き、横目で連中を睨んだ。


「近所迷惑だから」


それだけ言い、教室を出た。


一瞬だけ合った、アイツとの目。
けれどすぐに反らし、赤い顔を隠すように逃げて来た。


何で、目が合っただけでドキドキしてんの。


こんなの、気に入らない。
アイツはどうせ、本の1㎜もドキドキなんてしてないのに。


悔しい……。


唇をグッと噛んで、胸の苦しみを堪えていたのに。