『陽雄~好きだよ~!』

「俺も好き」



……うるさいなぁ。耳障り!


すぐ後ろで交わされる会話に、舌打ちせずにはいられなかった。



「陽雄、今日一緒に帰ろ?」

「いいよ。ついでにどっか寄ってく?」

「本当!?ヤッター♪」

『ズルーイ!抜け駆けー!』


何が、ズルーイ!抜け駆けー!よ。


あたしにとったら、あんたらが抜け駆けだし。


言い合う女の子達に、アイツはこう言うんだ。


「…じゃあ、みんなで行こうか」



散れ!