2fから3f、屋上へと走っていく。
息が上がって、苦しくなって、
そろえた髪がグシャグシャになる。
どうでもいいと思えるのは、
きっと自分にイライラしているからだね。

空はこんなにも晴れていて、
校庭では立派な風車が回っていて...。
それでも私は、晴れ晴れしい気持ちになれずにいた。


「私は、恋をしたことがない。
 誰かに愛されたことが、ない。
 家族もグシャグシャ。
 ...本当に私のことを愛してくれている人なんて、
 この世にいるのだろうか。」

いつか、妹にそんなことを話した。
妹は、涙を流して
「私はお姉ちゃんがいないと生きていけない」
って言ってくれたんだ。

そうだよね。
かたくるしく考えすぎだよね。
きっと、大智は愛してくれている。
こんな私を、愛してくれている...ハズだよね??


考えて、悩んで、考えて...。
走って、汗かいて、泣き出す私。
どうしてだろう...
涙が、止まらない。
こんな時、走って駆け寄ってくれる人が、
私の運命の人...なのかもしれない。