奥へ奥へと慣れた様子で歩いていく。


この建物がすごく大きいことが分かった。

そしてひヒナが立ち止まったのは一つの扉の前。


黒の扉には、銀の板に筆記体で〈VIP〉と書かれている。



へぇ、VIP。

VIPルームね。

…。
…………。

……は!?VIP!?


「ちょっ、ヒナ!?」
「ん?なにー?」


動揺を隠せないあたしに、のんびりと応える。


「なにここ!?」
「え?んー、個室」


そ、そうきたか。