うー、なんか言ってよー。
「それ、できるって言わなくね?」
「う、まぁ…、滑れないわけじゃないし…」
曲がれないだけで、転ばないし…。
だから滑れる!!
「…」
「ヒカル?」
「……おれ」
「?」
「スノボできねぇよ」
「…」
「…」
たぶん普通はここは、驚いたり文句言ったりすると思うけど。
「嘘つき」
「あ?」
「運動神経あたしよりもめっちゃくちゃいいヒカルが、スノボできないはずないじゃん!!」
「…」
「何年幼なじみやってると思ってんのよ。騙されないんだから!」
ヒカルはいっつもあたしを試すようなことを言う。
なんでかは、わかんないけど…。
自信満々に言っといて、本当に滑れなかったら恥ずかしいけど、ヒカルは絶対に滑れる。
だって体育の成績はいっつもいいもん。
幼なじみは関係ねーだろ、とかヒカルは言うかもしれないけど、幼なじみだからこそだと思う。
自信満々な顔でヒカルをみていると、フッとヒカルは笑った。