すると、カチッという音がした。



そして学園長は、ピアノのすぐ横にある
大きなベートーヴェンの肖像画のまえに立ち
肖像画をグッと押した。



肖像画は、扉のように開き
怪しげな、地下へと続く階段がそこにはあった。


「ほら、行くぞ」


学園長に声をかけられるまで、
僕は呆然とその様子をみていた。


階段へ一歩踏み出した僕は、
冒険に出る少年の気持ちになっていた。


これから起こる何かに
不安と興奮を覚えながら、
僕は階段を降りていった-----