「あーっ面白かった。ま、そんなこと言いつつもさ、颯平のこと好きでしょ?」
笑いの落ち着いた優美が、しきりに携帯を気にしながら問い掛けてくる。
「もちろん、大好きだよ」
「二人どれぐらいだっけ?」
「もうすぐ一年かな」
好きかと聞かれれば、迷わず好きと答えられる。
だから、颯平に対して気持ちが冷めてきたとかはまったく感じないんだ。
颯平のこと好きだって確信している。
「……ねぇ、優美? この後何かあるの?」
「んー、何で?」
「携帯気にしてるっぽいから」
ずっと気になってた。
何かを打った後から、何度も携帯を気にしていることが。
「紗夜香は携帯買わないの?」
「お小遣いじゃ買うのは厳しいからね……って、答えになってないし!」
うまくはぐらかせようったって、そう思い通りにはさせない。
怪しげな行動から何か隠していると直感し、もしかしたら反撃のチャンスかもしれないなんて思う。
テーブルの上で携帯が振動する。
素早く携帯を開いた優美は口元を緩めて、私にディスプレイを見せてきた。
「いろいろと言ったけど、私は颯平とのこと応援しているしね?
紗夜香携帯持っていないから、中々連絡も取れないでしょ。休み以来会っていないって言うし……あっ、来た!」
見せてもらったメールに目を見開き、そんな状態のまま優美が手を振るほうへと視線を移してギョッとする。
そ、そっ……。
「颯平っ!?」