「もし会えたら、その時聞けばいいじゃん」
「会えないと思う」
再び会うことができるなんて、奇跡に近いことだし無理なことだって分かってる。
しかも見た目は年上。
接点なんてまるで何もないような気がするんだ。
諦めにも似たため息が漏れる。
「そんなにハル君に会いたいんだ〜?」
「会いたい……」
出来ることならもう一度。
会って話がしたい。
不意に優美の満面の笑みが視界に映る。
ハッとした瞬間、体中に血が駆け巡っていく。
両手で顔を覆い隠して、テーブルに俯せになった。
今の言い方。
“会いたい”って。
まるで愛しい人に対してのような言い方だった。
優美もそう思ったからこそ、あんな顔見せたんだ。
そう解釈すると恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がない。
「もう、やだぁ」
そんな私を笑い飛ばす優美。
この場合、笑ってくれて助かったけれど、恥ずかしいことにかわりがなかった。