「え……っ、えぇぇぇ!!」
「ちょっと、紗夜香、シィー!!」
「あ、ごっ、ごめん」
あまりの衝撃にその場に立ち上がって大声を出した私を、冷静に沈める優美に我を取り戻す。
ストンッと腰を降ろしながら、体から力が抜けていくのを感じた。
今まで夢の話なんてしたことなかったのに。
「もぅ、そんなに驚かなくてもいいじゃん。将来の夢とか何だかこっ恥ずかしくてずっと黙っていたんだけどさ……」
耳元を手で覆い隠して恥ずかしそうに俯く姿に、戸惑いを隠し切れず声が震える。
「優美、の夢……って?」
その瞬間、本当に優美が眩しかった。
はにかんで笑う姿がキラキラと輝いて見えたんだ。
「私、トリマーになりたいんだ。うち犬飼っているでしょ。いつもトリマーの人が綺麗にしてくれているのを見て、いつか私がしてあげたいなって。ま、それだけの理由なんだけどね」