県内きっての有名私立進学校。
その中でも私が在籍する「特別進学クラス」は、大学進学率がほぼ100%という驚異的な数字を見せるクラスだった。
通常の六限の授業に、毎日の朝の課外授業。
放課後は部活を考慮して週二回。
土曜の授業は昼までだけど、膨大な量の宿題が出される。
入学式で紹介されたクラス担任は髪の毛がチリチリの鳥の巣で、肩幅広くてがっちりとした体格の筋肉質な体育の内田先生。
「目指せ、全員国立大合格!」
だなんて、最初から気合い入りまくりだし。
やっと受験から解放されたと思っていたら、もう次の受験の話が出てきて……。
正直心底ウンザリするけれど、もう二度と同じ思いをしたくはなくて、私は固く心に誓う。
次こそはって。
だけどたまにふと思う。
受験の為に一生懸命勉強して、例えば国立大受かったとして、そもそも国立大に行って何をするんだろうと。
私は何の為に国立大に行こうとしているんだろうと。