立ち上がった私を見て、笑みを浮かべる優美。



「私のことは気にしなくていいからねー。今度話聞かせてもらうからさ」

「分かってるよ、ありがと」



手を振って見送られながら、気付けば駆け足で公園を出ていた。


待ち合わせの時間に間に合わない、なんてことはない。

だけど、はやる気持ちを押さえられない。

心配で仕方なくて、会いたくてどうしようもなくて。

髪を振り乱して汗を滲ませて、駅までの道を駆けていく。


ハル君が好き。

どうしようもなく……好き。


些細なことで私の中は、ハル君で埋めつくされる。

この先どうなるかなんて分からないけれど、それでも今、傍にいたい。

その気持ちに素直に正直に。



「ハル、君……」



思いのままに駆け抜ける道。

途中寄り道をして買い物をして、気づけば両手に抱えきれないほどの荷物を提げていた。


電車に乗って望さんが指定した隣町の駅につき、改札を出て改めてその荷物の多さに苦笑する。

どれだけ心配しているんだか。


そう。

心配、しているんだよね。

心配、なんだよね。


ハル君だから、その思いが強くなる……。



「ちょっと、紗夜香ちゃんその荷物……」



そして、電話があって望さんと合流した私は、その姿を見られるなり笑われてしまった。