いじめてやりたくなっちゃった……って、そんな理由で?
ジェットコースターに乗せた?
「信じられない! 本当に死ぬかと思ったんだから」
「ククッ」
「何がおかしいのよ?」
人が真剣に話しているのに笑うもんだから、つい喧嘩腰になってしまう。
明らかに年上の人に対して敬語を使わなかったのは、これが初めてかもしれない。
「いや、だって、言っていることが矛盾しているよなーって思ってさ」
「何が?」
隣で笑い続ける彼に不快感を抱きつつも、どうしても矛盾が思いつかず、ううん、この時の私は考える気も起きなかったのかもしれない。
「教えて?」
少し悔しくなりながらも問いかけていた。
キョトンとした表情で私を見つめ、少しして視線を落とす彼。
誘われるようにその視線を追いかけると、彼の膝の上。
そこに私は両手を乗せていた。
「っ……!!」
慌てて両手を離してスクールバッグを抱き抱える。
興奮していた私は無意識のうちにそんな行動をとっていたみたいで、今度こそ本当に真っ赤に頬が染まっていくんじゃないかというほど熱くなっていく。
「怒ったり照れたり……、忙しいやつ」