自然と足が向かったのは、駅の裏の公園だった。

相変わらず誰もいないその公園は、隣に誰かいないとやっぱり物悲しく感じる。

あの日を思い出しながら砂場へと近づいていく。


変わりたいと思った。

変われたと思った。


だけど、実際は何も変わっていない。



「本当に、ハル君の言うとおり」



無難に石橋を叩いて渡って、危なくなればそこから逃げ出す。

手に砂を取り、高く持ち上げて手を緩める。

サラサラ、と。

砂の粒子は太陽に照らされて、キラキラと眩しく光り輝いていた。


ハル君……。

私が私でいられる唯一の存在。

ダメな部分ばかり見せていても、それでもハル君は私を見捨てず、いつも向き合ってくれる。

真剣に、時折怒ってくれて……。


砂場に小さな山ができていた。

トンネルを掘ることはできない小さな山。

風が吹けばすぐにその形は崩れてしまう。


崩れることを恐れずに。

壊れることを恐がらずに。


変わりたいと思うなら、行動を起こさないといけない。

一歩、踏み出す勇気を持ちたい。