力なくベッドに倒れこむと、スプリングが軋み、ボスッといい音を立てて体が跳ねる。

うつ伏せの状態で静かに目を閉じると、



「謝らないと……」



今も頭に鮮明に残る、あの時の優美の顔が浮かび上がる。

少し落ち着きを取り戻した私は、自分が何をすべきなのかを理解していた。


だけど、未だ勇気が持てずにいたんだ。

そしてズルズルと休んで。


今はもう、
ため息しか出てこない。

体を起こして机の上に手を伸ばし、そこに置いてある携帯を手に取る。



「あ、颯平からだ……」



開いた携帯に一件の新着メール。

変わらない。

あの日“別れる気はない”と言った颯平は、その言葉通り今までと同じように接してくる。

まるで何もなかったかのように。


ズキズキと胸が痛む。

ギュッと携帯を握り締めたまま、枕を抱き締める。



体調大丈夫?
無理するなよ――。



私の心配ばかり。

今、颯平はどんな気持ちでいるんだろう。

聞けない。

聞けるわけないよ……。


ディスプレイに映し出された文字に、ため息を漏らして携帯を閉じた。