だけどそれも、乗ってしまえば顔面蒼白。

急に現実に引き戻された。


園内でもトップ3に入る絶叫マシン。

初めての搭乗に言葉さえ出なくなって、動き出した瞬間目を固く瞑り、安全バーを爪をたてて握り締めていた。


ガタンガタン――。


レールの上をコースターが動く音が響く。

体に伝わる激しい振動。

真上から降り注ぐ明るい日差し、つまり私は今、空の方向を向いているということ。

どれだけ上ればいいの?


ガタンガタン、ガタッ――。


音が消えた。

と思ったら、フワッと体が浮いたような感覚に陥り、急に無重力ーっ!!



「ギャァァァ!! 助けてー!!」



そんな風に叫んでいたと、思う。

想像していたよりは怖くなかった、と言えばそうかもしれない。

だけど降りた時には足に力が入っていなくて、彼に支えながらこのベンチに座らされていた。


あんな大声を出して叫んだのも初めて。

叫びすぎて喉はカラッカラになるし。

頭はボーッとするし。


……やっぱり乗る人の気が知れない。