颯平となら、いいよね――。

自然にそう思えたこと、きっとこの気持ちは間違いじゃないって思いたい。


スナック菓子の袋にペットボトル、ビニール袋に私のバッグ。

床に散らばったそれらの荷物を避けて、振り返った颯平に押し倒された。

優しく触れるキスは次第に激しくなっていく。

絡ませてきた舌に応えるように絡ませて、息苦しくなるほど何度も何度も。


キス越しに伝わる熱。

密着した体から伝わる鼓動。


颯平のこと好きなら、付き合っているのなら、これが自然な流れなんだ。

今まで踏み止まっていた一線を、今、越えようとしている。


唇を離した颯平は私をまっすぐに見つめ、優しく髪を撫でてきた。



「……いい?」



微妙に声を震わせて。

それでも視線だけは逸らさずに私を見据える。

緊張が伝わる。

颯平の目に映る私は、今どんな顔をしているのだろう。


声にならない言葉に代えて、首を縦にふる。

不思議と頭の中は真っ白で、この時の私は恐怖心が消えていた。