「それって」
「あーっ!! 恥ずかしいから見るなって……」
片手で覆い隠している隙間から覗く、湯上がりのようにほんのり赤く染まった肌。
ブツブツと独り言を呟いて、大きな体を丸く縮ませて。
「……プッ」
我慢の限界だった。
緊張の糸はプツリと切れて、口からは笑いが漏れてしまう。
「笑うなって」
「だって、颯平相変わらずなんだもん」
今日するんだって思うと夜も寝れなかった自分がバカらしくなるほど、中学時代一緒に過ごしたいつも通りの彼がそこにいた。
不器用で、照れ屋で。
優しくて、たまに強引で。
「本当、変わってない」
「さっ……紗夜香?」
抱き締めたくなったんだ。
そんな颯平を。
背中に頬をくっつけて、後ろからギュッと包み込む。
「最後に優美と三人で会った時もさ、颯平ってば顔真っ赤にしたよね」
手を握ろうとして間違えて、太ももの際どいところを触ってしまって。
あの時も今も。
照れて顔を赤くする颯平のこと、可愛いって思ったんだ。