いきなり脱いでって言われた時は驚いたけど。
直ぐ様タンスから出してくれたジャージを見てホッとした。
「染みとれた?」
「うん、結構とれたっぽい」
私の手から受け取った服を洗濯機に入れ、洗濯して乾くまで家にいればいいよって。
やっぱり目を合わさずに話す。
ジャージの裾を握り締め、俯きがちに颯平の後を着いて行く。
部屋に戻ってからも気まずい雰囲気で、無言のままその場に正座。
呆れているのかな?
怒っているのかな?
何も言わないから、何も分からない。
颯平のジャージに包まれてその温もりを感じるけれど、その本人の素っ気なさに悲しくなってくる。
「何で目合わせてくれないの?」
耐えきれずに話し掛けると、予想もしていなかった答えが返ってきた。
「引かない?」
「……何が?」
「やばいんだよ」
「だから、何が?」
振り返った颯平は未だよそよそしく視線を泳がせる。
「その格好……。紗夜香が俺のジャージ着てるってのが」