休みの日は時間が経つのが早く感じるけど、今日は極端に早い。

それをどんなに恨めしく思ったことか。


結局いつも通りの服装で、下着を上下チェックしたりなんかして、出かける準備を済ませてリビングで一人正座していた。

誰もいなくなった家の中はやけに静かで緊張が走る。



「お母さん、ごめんなさい」



私は今日、颯平とします。

大人へと一歩近づきます。

両手で顔を叩いて気合いを入れ、携帯を握り締めてバッグを肩にかける。



「よしっ!!」



口を固く結んで歩きだす。


自分らしく。

いつも通りに。