するのが怖いとか思う私は子どもなのかな。

すれば大人になれるのかな。


門限近くなって香里奈と別れて家に帰ってからも、悩みは解決しなかった。


考えても答えの出ない問題に眠気も起きなくて、ベッドの中でひたすら天井を眺める。

普段は気にもならなかった天井の模様を目で辿って、瞬きさえ忘れて目が充血しそうなほど見開いていた。


怖いものは怖いし。

恥ずかしいものは恥ずかしい。

そんな思考を何度繰り返しただろう。



「あ、やっちゃった」



外の眩しさに目を向ければいつの間にか夜は明けていて、もぞもぞとベッドからおりる。

カーテンを開けて窓を開き、やけに清々しく感じる空気をめいいっぱい吸い込む。


……憂鬱だ。

ひどく体が重い。

それを睡眠不足と言うか寝ていないせいにして、タンスを開けて服を選ぶ。

脱ぎにくいストレッチ加工のパンツに……って、何してるんだろう、私。