季節は移り変わり、外は雨の降る日が続いていた。
まとわりつくじめっとした湿気とどんよりした空模様に、憂鬱な気持ちを抱えたまま。
日々だけが過ぎていく。
「明日空いてる?」
「えっと、午前中バイトだから午後からなら空いてるよ」
私と颯平はお互いの時間を見つけては、週末は例え少しの時間だけでも会うようになり、
「じゃあ終わったら連絡して。明日部活休みになってさ」
携帯という連絡手段ができたことで毎日必ずと言っていいほどメールをするようになり、前より頻繁に会うようになった。
部活で疲れているはずなのにバイト先まで迎えに来てくれたり、部活帰りにわざわざ私の家の前を通って顔だけ見に来たり。
本当に大事にしてくれる。
私のこと好きでいてくれている。
それを感じれば感じるほど罪悪感に押し潰されそうになるけれど。
だけど、何も変わらない。
私に向ける笑顔も眼差しも、伝わる手の温もりも。