それからも日常は変わらずに過ぎていき、数日が過ぎた土曜日のこと。
「紗夜香ーっ!! やったね!」
「やっぱり香里奈には適わなかったし。ちょっと悔しいなぁ……」
「負けるつもりないし」
掲示板に張り出された学力テストの結果を前に、嬉しさ半分悔しさ半分の私。
香里奈が学年1番。
私が学年4番。
勉強した甲斐もあり、20番以内どころかトップ5に入るという快挙。
今回は苦手分野で点数を稼げたことが、上位に入る結果と繋がったのだろう。
だけど自信があっただけに、香里奈に負けたことがちょっと悔しかったりする。
とは言え親との約束は守れたし、きっとハル君のおかげだね。
あんなにスラスラと問題が解けたのは。
「これで携帯も買えるし、彼氏も喜ぶだろうね!」
ハイタッチをした後、香里奈が発した言葉にピクリと眉が釣りあがった。
盛り上がっていた気分は一気に下降する。
「あれ?」
私が急に黙って動かなくなったものだから、香里奈の動きも止まり、首を傾げて覗き込んできた。
「あっ、うん。そうだね。……どの機種にしようかな〜」
「はぁ……。紗夜香ー」
「んー、何?」