朝6:00丁度。

「部長!おはようございます!!」

「おはよう」

ニコッという効果音付きの貼り付けた笑顔。

朝練の時間に来るってどういうことやねん!

普通15分前行動やろ!?

もう練習をはじめたいのにレギュラーさえ揃ってない。

ほんま…この部活大丈夫やろか?

男子はもう始めてる。

羨ましい……。

女子もちゃんと集まるようになんかせな…。

けど何したらいいんやろ?

「部活…。」

「ん?どないしたん?」

準レギュラーの紗江がうちに話かけてきた。

そらもうめっちゃ申し訳なさそうな感じで。

「えっと…」

何かを怖がっとる…?

「何か怖いん?」

「……怒りませんか?」

なんや…

そんなことか…

「おん。怒らんよ?」

うちは滅多なことじゃ怒らん。

「真理亜先輩が…みんなに呼びかけてるんです…」

紗江は二年生やから敬語。

………?

真理亜?

真理亜はちょぉヤンチャな部員。

一応レギュラー。

部活にはたまに顔を出すぐらいで何でレギュラーなんかわからへんねん。

確かにテニスの才能はあると思うで?

そりゃもう男子の二年生レギュラーの財前くんぐらいに。

やけど練習にけぇへん。

「呼びかけ?」

「はい…。」

「何て?」

「…みんなで練習をサボろうって……」

……なんや。

「またか……。大丈夫やで。真理亜はいつもこんなんや。やから怒らんよ?けど真理亜のいう通りにサボったら怒る。わかった?」

「はいっ!」

ええ子やなぁ…。

「なら走り込み行ってきぃ」

「はいっ!」

いつものことや…。