紘哉は少し顔をしかめ、千尋に向き直る。
「それで、何か手伝うことは?」
「そうだな……半熟卵って作れる?私作れなくって」
「分かった」
紘哉は準備を始め、羽兎は近くのテーブルに座った。
そして、頬杖をついて眺める。
戦線から外されたのが無性に腹立つ。
不機嫌そうな羽兎を無視し、紘哉は話を進めた。
「そう言えば、昨日の夜は何してたんだ?」
「え?どうしたの、急に?」
「いや、ケイが訊いとけって言うから……」
取り敢えず、恵一のせいにしておく。
それならしょうがないと、千尋は納得したように頷いた。
「何時頃の話?」
「10時頃から11時半くらいで頼む」
「分かった!」
千尋は手を止め、おずおずと話し出した。