「それで、11時半頃は何してたんですか?貴方だけ姿が見えなかったんですけど……」
「その時間はちょうどお風呂に入ってました。駆け付けられなくてすみません」
羽兎のキツい言い方にも、笑顔で答えてくれた。
彼女の中で少し申し訳無い気持ちが生まれてくる。
「じゃあ、アリバイは無いんですね?」
「まぁ、そう言うことになりますかね」
人の良さそうな隆宏の顔が、小さく歪んだ。
こればかり、証明できないものはしょうがない。
「隆くん、エアーガン見せてよ!」
「何言ってるのさ!ケイちゃんなんか、本物の拳銃持ってるくせに!」
やはり抜けきらない。
男三人、少年心に戻っていった。