隆宏は思い出すように、何回か首を振る。
刹那、俯いている恵一が跳ね上がるように顔を上げた。

「そう言えば、まだアレやってるの?」

「アレ?」

「アレだよ、アレ!」

指事語だけでは意味が分からない。
首を傾げる隆宏に対し、恵一は目を輝かせた。

「エアーガン!」

「あぁ、アレね!昔ほどでは無いけどね」

隆宏が照れ臭そうに笑う。
紘哉は、恵一の方へ顔を向けた。
恵一はどこか昔を懐かしむような顔をしている。

「よく遊んでたんだよな。BB弾入れてさ」

「あぁ、何かやったな……」

「お?紘哉もか?」

「あぁ。近所のお兄さんと」

男三人、どこか遠い目をしている。
取り残された羽兎は、不満そうに小さく口を尖らせた。