「聞けよ!瀬上のやつ最初わかんなかったんだぜ」


「あははは!無理ないでしょ」


そう。咲良が美紀子たちと同じ幼稚園だったのは一年だけ

年長になる時にこの街に引っ越してきたのだった

だからかあまり覚えてないのかもしれない


「それにしても浅井変わんないねぇ」


「はあ?かっこよくなったろうが!」


それを聞いて咲良と美紀子は顔を見合わせてクスクス笑う


「笑うな!武田だって全然変わんねーだろ!」


「何言ってんの!可愛くなったでしょ!」


2人とも似た者同士

そんな2人を見てまたクスクス笑ってしまった


「………瀬上はキレイになったな」


「は!?」


笑う咲良を見て浅井が言った

咲良は変なこと言わないでよ!と教科書で叩き、更に美紀子が何で咲良だけなの!と素手で叩き、浅井は袋叩き状態に

すると後ろのほうからプッと笑う声がした


「何やってんの?アサ」


そこにいたのは先ほどの無表情な男子、高宮蒼志


「いてて……聞いてくれよ蒼」


彼が来たおかげで2人から解放された浅井が頭をさすりながら蒼と呼ぶ彼のもとに行った

彼もアサと呼ぶくらいなのだから、2人は仲がいいんだと悟った