「多分、蒼は違う理由で怒ってるわよ」



「「え!?」」




じゃあ一体何で怒ってるのか咲良は美紀子に聞いた



しかし美紀子は自分の口からは言えない、確信がないからと言って教えてくれなかった



そのまま午後の部が始まり、結局理由はわからないままで



蒼は怒ってる、原因は自分、でも理由がわからない



お弁当一緒に食べれなかったことに怒ってるわけでもないし



するとやはり雨宮さんと何かあったのか



何もわからないままモヤモヤだけが残り、体育祭は終わった




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「あ…………」




季節は変わり、今は冬



体育祭が終わり、紅葉が過ぎ



窓をチラッと見ると白い粒が空から降ってきた



“雪……キレイ”




授業中、窓際の席の咲良はぼんやり外を眺めた




体育祭以来、蒼とは気まずいままでほとんど話さなくなった



今までじゃれ合ったり、世間話したり毎日楽しかった日々が一変



本当は話したいのに話しかけられなく、もどかしく寂しい日々




でもこれで良かったのか



“好きじゃないなら仲良くしないで”




蒼と話さなくなってから他の女子がよく蒼に話しかけていた



つまり本当に自分は邪魔な存在だったってこと



自分が蒼と仲良くいたいから他の女子の邪魔をするのは嫌



だからきっとこれで良かったんだ




咲良はそう自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせていた