不格好ながらもいっぱい練習した



正直、好きではないけれど踊っていると楽しい



咲良も千都も美紀子も一生懸命踊った




「ふぅ~」



「なんとか終わった~」



「なんかみんな一概になって踊ると楽しいね」



3人でダンスの余韻に浸りながら話していた


すると騎馬戦の準備をしていた上半身裸の男子たちが現れる



美紀子はそれを見て興奮しながらジロジロ見渡す


まるでサメに睨まれた獲物


男子たちはちょっと引いていた



咲良はというとまともに見れず、そそくさとその場を離れようとした



しかし下を向いて歩いていたせいで誰かにぶつかってしまった



「す、すいませ………」



ぶつかった相手は蒼


もちろん上半身裸


咲良はボッと顔を赤くしてぐるりと方向転換


去ろうとする咲良の服の首の辺りを蒼に捕まえられ逃げられなくなった



「こら。何逃げようとしてんだ」



「いや……別に……」



一向にこっちを向かない咲良に疑問を抱いたが、構わず話を続けた



「ダンスうまかったな」



見られていたのかと思うと更に顔が赤くなった


一応、蒼に誉められたお礼を言った



「騎馬戦の写真撮るんだろ?」



「あ!忘れてた!」



ダンスのことで頭一杯になり次にやる騎馬戦の写真のことをすっかり忘れていた


急いで準備をしようと、咲良は先ほどまで気にしていた男子の裸などに目もくれず、カメラを借りに担当の先生のもとに行こうとした



蒼はパッと掴んでいた咲良の服を話して、何やってんだかと笑っていた




「咲良。かっこよく撮れよ!」



そう言って蒼は走っていった


咲良も急いでカメラを取りに



“別に蒼だけ撮るわけじゃないのに………蒼のナルシストめ”



そう思いながらも顔は赤いまま


それを暑さのせいにして咲良はカメラを準備して配置についた



そして騎馬戦が始まる


周りからは女子の黄色い悲鳴が飛び交う



男の戦い どんな男子でもかっこよく見える



蒼はまだ小さいほうなので騎馬の上で帽子を取る



凄まじい戦いにみんな興奮していた



それをレンズ越しに見ている咲良



蒼の写真もばっちり撮った



“悔しいけどかっこいい………”