「咲良のお兄ちゃんカッコいいよね~」


兄は最近、結構モテる

バスケ部で身長が延びたせいだろう


「咲良、兄貴いたの?」


近くを通った蒼が話に混じってきた

美紀子は蒼には負けるけどなかなかのイケメンだと説明


すると蒼はまじまじと咲良の顔をみて言った



「誰かさんとは大違いってことですか」


「なっっ!!……どーいう意味よーー!!」



咲良は立ち上がり、机にあったシャーペンで蒼を刺した


「いて!!何でお前はそう刺すんだよ!!」



2人が揉めていると、次の授業の鐘が鳴り蒼は素早く自分の机に走った


咲良はシャーペンを握り締めながら悔しそうに蒼を睨み、それを美紀子がまあまあ、となだめ2人は席についた



咲良は決して不細工ではない

昔は兄と双子に間違われるくらい似ていた

だから逆に美形タイプにあたる


しかし大人しく地味なせいか目立たなくモテない

本人も恋愛や美容にはいまいち興味なく


整った顔立ちはそんな咲良の性格に埋もれていた



_______



「それでは体育祭について詳しく説明します」


体育の時間に体育祭の内容について話があった


徒競走はもちろん綱引きや大玉転がしがあり、小学校とは違うのはダンスを披露することと自分たちで競技を作ってやるところ



「なんだかめんどくさそうだね、咲良ちゃん」


「うん……ダンスとか自信ない」


咲良が体育座りで一緒に話をしているのは、岩崎 千都(イワサキ チヅ)


彼女とは最近、仲良くなり何かと気があって気兼ねなく話せる友達


今ではだいたい一緒に過ごすことが多い


彼女も恋愛に興味なく、2人が話す内容はテレビや食べ物の話ばかり





そして放課後になり、お互い部活動に


千都は吹奏楽部
咲良は美術部


昔から芸術や美術品などが好きな母の影響で咲良も絵が好きに