春………新しいことが起きる季節


桜は咲き始め、真新しい制服を着た私は、期待と不安でドキドキしていた


春の匂いが更に胸を高鳴らせ、緊張で全身が脈を打つ



今日は中学校の入学式

少しダボダボの制服を身にまとった新入生たち

その中の1人が私、瀬上 咲良(せがみ さくら)

咲良は背も小さいほうで、これから来ることを期待している成長期のために制服は人一倍大きく作られ動きづらい

それでも校門に張り出されたクラス分けの紙を見て、自分のクラスに向かった


中学校は四つの小学校から集まっている

なので周りは見慣れた顔と見慣れない顔がある

その中を通り過ぎクラスに入ると、やはり顔なじみ同士でみんな固まっている

咲良はとりあえず自分の席について、荷物を締まった


すると担任である女の先生が入ってきて皆に声を張って言った


「さっそく入学式に行きますよ!皆さん廊下に出席番号順に並んで下さい!」


一見、優しそうな顔をした先生だったが声を聞く限り少し怖そうな印象を持った


咲良はすぐに廊下に向かい場所を探した


“確か16番だから……”


「咲良!こっちこっち!」


キョロキョロしていると手招きして呼ぶ女子生徒が


彼女の名前は武田 美紀子(たけだ みきこ)


幼稚園から一緒の幼なじみ

美紀子とはずっと出席番号が隣同士だった


いつものように隣だと思い、美紀子の前に並んだ