そうだよね・・・


どうしようもないんだよね・・・



泣き続ける中で私はそう思った。



「わかった・・・」


私は頷いた。



「とりあえず、今日は帰ったほうがいい。俺の出発まではまだ時間があるから、君の荷物は落ち着いたら取りにおいで。」



その言葉に私はもう一度頷いた。


「送って行こうか・・・?」


錯乱状態に近かった私を心配して、彼はそう言った。



私は力なく首を横に振った。


「車・・下に停めてあるから・・。」



帰ろうと思って立とうとしたら、腰が抜けていて立てなかった。


そんな自分が惨めで、また涙が溢れだした。



なんとか私は立って、彼のアパートを出た。


久保さんは下まで見送ろうと、私と一緒に玄関を出ようとした。



「いいから・・・。」


私はとっさに左手で彼の胸を押さえて止めた。



彼は私が車に乗って出発するまでずっと玄関の前で見送ってくれた。