慌てた静奈が可愛かった。
「私、大丈夫です」
「そう?ご機嫌も悪かったようだけど?」
「だって、それは…」
わかっててそう言ってくる高柳に静奈は顔を赤くして口ごもる。
「名前」
「え?」
「名前で呼んでくれたらデートしよう」
「えぇっ」
顔を赤らめる静奈に「何、今更。夕べは何度も呼べたでしょう。」と追い討ちをかける。
じっと見つめる高柳の目線から逃げるように俯いてしまった。
「は、恥ずかしいです」
「静奈はデートしたくないんだ?」
「!……律…」
呟くように言うと「聞こえない」とアッサリ返されてしまった。