高柳の触れる所すべてが熱を帯びていく。
上村に触られた時は嫌悪感しかなかったのに、高柳にはもっともっと触って欲しい。
その大きな手が、静奈を安心させる。
高柳は壊れ物を扱うように優しく静奈を愛していった。
堪えようにも自然と吐息が漏れてしまう。
「我慢、しなくていいよ…」
「ん…あっ…」
その手が妖しく動き、たまらず声を出す。
恥ずかしかったけど、もう我慢なんて出来ない。
高柳の熱を帯びた、色気のある瞳に見つめられただけで溶けそうだと思った。
「静奈」
高柳が低く甘く、愛おしそうに名前を呼ぶ。
自分の名前を呼ばれただけでこんなにも胸が熱くなるなんて、と思った。
「呼んで…。俺の、名前…」
「ん…」
「静奈、呼んで」
「り…律…」
恥ずかしくて、小さく呟くような声になる。