強がってみせる静奈に上村は苦笑した。



「やっぱ静奈ちゃん、アイツが好きなんだね。」
「あ…」

「わかってたからいいけど。でも、アイツが結婚ってなったら俺にもチャンスはあるからね。」

「上村さん…」



上村はにっこり笑った。


「じゃぁ、俺もう行かなきゃ。またご飯行こうね。」



そう言って1人晴れやかな笑顔で医務室を出て行った。

1人残された静奈は唖然とする。



「なんて人…」



静奈が落ち込んでいるのがわかっているのに喜ぶなんて。

彼もよくわからない人だ


静奈はベッドにゴロンと横になる。



「ハァ…。しんどい…」


この具合の悪さは高柳のせいなのか…。



「好きって言えば良かったのかな…」



自覚した時、すぐに気持ちを伝えておけばよかったのだろうか。


そしたらこんなに苦しくなかった?

婚約って聞いてもここまで辛くならなかったのかな?



「っ…」



涙が零れて枕を濡らした