「カワイイなー。オレ、好きだよ、眞緒ちゃんのこと。彼氏とうまくいかなくなったらいつでもお相手するから。考えといて」



なんて言って。


あっけにとられているあたしの鼻先をつまんだ先輩は、



「到着ー」



つないでいた手をさりげなく離して、みんなの輪の中に戻っていった。



おかげで、何も言い返すことはできなかったけど。


先輩狙いの女子たちから鋭い視線を投げられることもなく済んだ。


手をつないだままゴールしていたら、たくさんの敵を作ってたかもしれない。