「途中で“きゃ~”とか言って、腕にからまってくれるほうがワクワクするんだけどね」



冗談めかして笑った先輩は、


にぎった手に少し力を込めてあたしを引っ張っていってくれる。



前を歩いてくれる心強さと、安心感に……ふいにハル兄の顔が浮かんだ。



(こういうのって……いいのかな?)



と考えて、戸惑う。



もしも逆の立場で、ハル兄がこうして他の女の子の手を握っていたらイヤだな……って思って。