「きゃ! もしかしてあたしのこと見てる?」 なんて喜ぶ菜月ちゃんには悪いけど……先輩が見ているのはあたし。 口元が、“大丈夫?”って動いているから。 ――こくん。ぺこりぺこり。 菜月ちゃんに気づかれないように何度か頭を下げると、先輩はふっとほほ笑んでから友達との会話に戻った。 ……どうしよう。 なんだか意識しちゃうなぁ。