「……」



途中まで打った文章を全消して、ケータイを閉じる。


自然とため息が漏れて、あたしは目をつぶった。



「……別に報告しなくたっていいよね」



隠すわけじゃない。


心配をかけないためだもん。



波の音を遠くに聞きながら、


タオルケットを鼻まで上げて丸まったあたしは、複雑な気持ちを抱えたまま、夕飯までずっとそうしていた。