「……先、輩……?」 「はあ……良かった。目開けなかったらどうしようかと思った」 ほっとした先輩が、あたしの頭を撫でている。 「苦しくない? 大丈夫?」 「……あたし……」 助かった、ってこと? 「今日はオレ、水上バイクやってたんだ。波かぶってる子がいるなーって見てたら次の瞬間には海に投げ出されてて。 やばいと思って慌てて駆け付けたんだよ」