「眞緒ちゃん、聞こえるか?」



――パチパチパチっと叩かれるほっぺ。


再び感じる、唇への感触。



「……っ」



と同時に、激しい咳が出た。


うずくまってせき込むあたしの背中を、誰かの手がさすってくれている。



しばらく咳き込んでからようやく落ちついたあたしの目に映ったのは、



「大丈夫か? 眞緒ちゃん」



不安げな表情の、村瀬先輩だった。