身体の外側を冷たくしていく風が
歩道わきのくものすを
自分勝手に揺らす。

いつから住んでいるのか
街では見かけない大きさの
ジョロウグモが
どん、とそこにかまえている。

わたしから見える
一方的にすを揺らす風は
彼女からしてみれば
単なる空調に
過ぎないのかもしれない。