「た、ただいまぁ・・・。」

そぉっとドアを開ける。

でも、なぜかいつものような声がしない。

ありえないくらいの静けさが、漂っている。

「あれ・・?お母さん・・?」

リビングを覗いても、やっぱりいない。

・・・どうしたんだろ?

「何コレ?」

あたしが見つけたのは、リビングに置いてある

テーブルの上にあったメモ。

内容は・・・

『お父さんのお仕事が早く終わって

久々に夜一緒だから、

お食事に行ってきます♪

PS.ホテル泊まって帰るから、明日会おうね♪』

・・・ホテルって・・・。

ラブホか!?

はぁ・・・。いい年こいて、何やってんだろ・・。

「・・・どした?芽紅。」

「今日、お母さん達帰ってこないから。コソコソしなくても大丈夫だよ。」

「んならいーや。」

あたしがそう言うと、瑠輝は

ソファにどかっと座ってくつろぎ始めた。

「お前の部屋ってドコ?」

「あたしの部屋?」

あたしの部屋なんか入ったって

何も面白いもんなんかないのに・・・。

まぁ、部屋くらい入れてやってもいいか。

「着いてきて。」

「お、入れてくれんの?」

「別に、たいした部屋じゃないし。」

あたしの部屋は、玄関入ってすぐの部屋。

広いか狭いかは、わかんないけど・・・

とにかく、ふつーの部屋だ。

「ここ。」

「ふーん。きれーにしてんなぁ。」

そりゃ、女の子ですから。

一応、女の子ですから。

「あんた、寝るとこどうするつもり?」

「・・・お前と一緒に寝る。」

「はぁ!?」

いやいや。

それは流石に・・・

ヤバイでしょ!!