沙和side

じりりりりり・・・・

「もう朝か・・・。」

私はふっとベッドから起き、キィキィとなる耳ざわりな音をならしながら食卓へ向かった。

「おはよう。」

しーんと静まりかえった部屋。誰も居ないのを知っているのに挨拶するなんてばかばかしい。

親は私のせいでお金がたくさん必要になり、朝から晩まで仕事。しかも両親は離婚してしまった。

だから今は母と2人暮らし。

朝はきっちりと机にごはんが用意されてるからいいんだけど。

あまり歩きたくないし、音も聞きたくないから、必要最低限しか使わない足。

だって私は、義足だから。

生まれつきなんかではない。

10歳の時に事故にあったからだ。