トーマは女慣れしている……と、思う。
当たり前のように、こんなにも自然と。
……それを少し寂しく思うのは、おかしい事なのだろうか?
今までどれくらいの女の子が、こうしてもらっていたのだろう?
このモヤモヤとした感情は、何?
怒り……とは少し違う。
寂しくて、悔しいような、困るような……悲しいような。
ツキン、小さな胸の痛みに、初めての感情に、戸惑った。
仕事場に着くと、トーマはまた私の頭を撫でた。
「何時頃終わる?」
「えっと……夜の7時頃」
「じゃ、その時間にまた迎えに来る。BOMBに付いて来てほしい」
一瞬、ドキリと心臓が大きく跳ねた。
今日の私は本当に、一体どうしてしまったのだろう?