甘くほのかな時間

家に着くと誰もいない。

「まだ帰ってないみたい!」
小さくつぶやくと

「その方が都合がよくねぇか?」悪戯顔で微笑む彼。

「とりあえず部屋に行こう!」
私たちは部屋に行った。

しばらく無言の2人。

彼が突然…。
「今日ここ泊まってもいいか?
あいつらに自慢したいんだ。」

作り笑いをしている彼に私は気付いた。

本当は違う意味で言っているのが。
でも私は彼のペースに合わせた。
「そうだね。
お母さんに聞いてみるね。」

お母さんはビックリしていたけど私は本気だった。

「いいわよ泊まっても。」
私はすぐに彼の所に行って報告した。

「マジ!?
よっしゃ〜!」
彼は小さくガッツポーズをした。
「明日は休みだからちょうど良かった!」

私たちは先生の悪口を言ったりデートの計画を立てたりしていた。
「しばらくここに居てもいいか?」

突然真面目な顔になった彼に私は黙ってしまった。
その顔を見て分かったことが…。
「もしかして例の事件の事なんじゃ無いの?」

私は知っていたかのような言い方で彼に聞いた。

「まぁそうだな。
それが理由だ。」

彼はうなずいた。

「私の事…心配してくれてありがとー。
サスケ大好き!」

私は彼の唇に私の唇を合わせた。それは悲しく、切ないキスだった。

次の日私は重い目を開けて起きた。
そこに彼の姿が無かった。
あわてて下に行くと先に起きていた彼。

「おはよー。
随分遅かったな。
何度も起こしたのに。」

「そんな事言われてもー!」
子供みたいな会話をする私たちを見てお母さんは笑っていた。

「朝ご飯食べたらお母さん出掛けて来るね。
お姉ちゃんは当分帰って来ないみたいだから。」

「て事は俺たちだけだな。」
笑顔を見せる彼に私は動揺している。
それに気付いた彼は私の耳元にささやいた。
「後でお前の部屋に行こう。」
私は顔を赤くしてうなずいた。

それを見ていたお母さんは何も言わず出掛けて行った。

「ねぇーサスケ。
私たち別れたりしないよね?」
不安になった私は泣きそうな顔を我慢していた。

「あたりめぇーだよ。
お前が例え他の男にとられそうになっても俺が守から。
あまり考え過ぎるな。」

「うん。
そうだね。
ごめんね。」
私の涙が頬をつたった。
今までの事件が私の中で限界になっていたのを彼は知っていた。

「お前もう我慢しなくていいんだ。
俺に頼れ。
お前を守から。」
彼は私を抱いた。
彼は黙って傍に居てくれた。