「…っ。」
どうしよう。涙が出そうだ。
本当に。
この人は、何でこんなことを
サラッと言ってしまうんだろう。
他の人が言ったら、
信用出来ないその言葉も、
あなたが言うと信じそうになる。
信じて、みたくなるの。
「なぁ、ラル?俺はさぁ、
お前がバスケを辞めた理由は
分からねぇよ?」
トクン。トクン。
と、あたしの心臓がリズムをうつ。
「でもな。お前がバスケを
やりたくて仕方がないのは分かる。」
「…っ…。」
どうして。
どうしてあなたに分かるの。
必死で隠したのに。
必死で消しているのに。
必死で、見ないようにしたのに。
バスケが、
やりたくて仕方がなかった。
その想いから、
必死で目を背けていたのに。