「あたしは出ないと、
何度も言いましたが。」
「だから、部長命令だっつったろ。
アップしろ。んで試合に出ろ。」
イラつく。
なんか無性にイラついてならない。
何なのこの人。
いい加減にしてほしい。
あたしは出ないって言ってるでしょ。
「じゃあ逆に聞くが、
何でそんなに出たくないんだよ。」
ミツとおんなじ質問。
「お前が見つけられなかった答えが、
バスケにあるんじゃないのか?」
「…。」
「ラル。お前はいつまで
ソコでうずくまってるわけ?」
少し強めの口調で、
サクト先輩は言う。
「お前の過去を全て
知ってる訳じゃねぇ。」
「…。」
「でもな。」