時間はあっという間に流れ、

午後になった。


あたしはまだ、アップをしていない。

いや、そもそもする気も無い。


今は、昼食の時間。

皆で合宿所の食堂にいる。


「ラル…アップしなくていいの?」

一緒に昼食を食べているミツに

そう言われた。


「しないよ。

あたしはマネージャーなんだよ?

試合に出る気も無い。」

キッパリとあたしは言った。


「…今聞くのもアレだけど、

ラルは何でバスケ上手なのに

マネージャーしてるの?」


「え…。」


「どうして、選手じゃないの?」

どうして?

そんなの決まってる。


あたしはあの日、決めたから。

自分と、約束したから。


バスケを、辞めるって。