「………じゃあ。適当に…

ボールを奪おうとして下さい。」

適当に?


「どうゆう意味?」

よく分からねぇ。


「…とりあえず、ドリブルの時の

手首を見せなきゃいけないので。

あたしが説明しながら

動ける程度にボールを…はい。」

要するに加減をしろと。


………少し残念な俺。

まぁいいか。


《ダンッダンッ》


「フゥー…。」

ボールをバウンドさせながら

一息つくラル。

どうやら、準備しているらしい。


そして。


「準備完了です、サクト先輩。

いつでもどうぞ。

あ、レム先輩ちゃんと見てて下さい。」

ラル相手に加減って…

むしろどれくらいまでなら

OKなんだろうか。


若干悩みながらも

ラルの持っているボールに向かう。